オーストリア共和国の国章について
先週書いたミニレポート、ここにも載せておきます。
第一次世界大戦後の1918年に制定された、オーストラリア共和国の国章には、鷲、トンカチ、鎌、王冠が描かれている。トンカチと鎌は、それぞれ労働者と農民を表現している。ソビエト連邦の国旗にも描かれ、社会主義の象徴でもある。王冠は大きな邸宅を意味し、ブルジョワを表現している。これは、労働者、農民とブルジョワ、プチブルジョワが共闘して国を動かしていこうという意思表示である。
これは、鷲、剣、玉、王冠が描かれていた1918年以前の国章と比べると、違う意味をなす。国家の主要人物が、王侯貴族から労働者やブルジョワに移り変わっていったことを示している。
現在のオーストリア共和国の国章には、1918年に制定された国章に加えて、ちぎれた鎖が描かれている。これは第二次世界大戦後に制定されたものである。ちぎれた鎖は、ファシズムから解放されて、自由になったことを主張している。1938年にナチスドイツに合併されて、そこから解放されたという経緯があっての表象である。